色変換エンジン

デジカメはCCD(今は殆ど使われなくなった)やCMOSの色信号を色変換エンジンによりカラー画像化している訳ですが、カメラメーカーは独自の色変換エンジンを搭載しており、同じ物を撮影しても各社微妙に発色が違いますね。

 

どの位違うのか丁度我が家に各カメラメーカー(全てではありませんが)の機種があるので撮り比べてみました。

とは言っても一眼レフだったりコンパクトカメラだったりして不公平ですがそこは大目に見て下さい。

CA380001

撮影に使ったカメラ

 

以下の画像は濃紺のヘアーバンド(商品)と、本当はグレースケールの付いた色味チャートを並べたかったのですが、見あたらなかったので、色付きの止めピンを並べてみました。

撮影は三脚を立てて白バックでストロボ無しの、窓から差し込む自然光のみで撮影した物です。

 

実際のヘアバンドの色は紫系の濃紺で再現が難しい色です。

RAWデータは使っていません全てJpegです。

古いカメラばかりですがどこまで再現出来るか…

CANONCanon G10 CANON ZOOM LENS 6.1-30.5㎜ F2.8-4.5

絞り優先オート ISO感度自動(200) F値:5.6 露出時間:1/6秒

一番明るい感じになりましたね、実際の色とはかけ離れましたが一見綺麗で鮮やかです。

NIKON

Nikon D40 Micro-NIKKOR 55㎜ F3.5

マニュアル露光 ISO感度200 F値:5.6 露出時間:1/4秒

一番色味が近い画像ですが、他のレンズは標準で付いてくるデジタル用レンズで撮ったものですが、このNikonのレンズはフィルムカメラ用のマクロレンズで撮っているのでレンズの性能差が出たのかもしれません。その代わり一切オート機能は使えませんが…。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS E-620 ZUIKO DIGITAL 14-42㎜ F3.5-5.6

絞り優先オート ISO感度100 F値:5.6 露出時間:1/5秒

Canonより赤味が多いですがNikon程紫には振れていません、ぜんたいにフィルムっぽい発色ですね、一番画素数が多いからかISO感度が100の為かライト側の調子もしっかり出しています。雪景色とかに強そう。OLYMPUSは国内生産の高品位レンズがありますから、そちらで撮るとまた結果が代わったかもしれませんが、色味はCanonとNikonの中間と言った所でしょうか?

RICOH

RICOH Caplio GX8 RICOH ZOOM LENS 5.8-17.4㎜ F2.5-4.3

ノーマルモードオート撮影 ISO感度100 F値:3.9 露出時間:1/6秒

OLYMPUSと似た発色ですね、これはフルオート撮影ですがISO感度は100で、手のひらサイズの小さなカメラなのでレンズも小さいのですが、オートでISO100ってF値2.5が効いているのでしょうか?また、発色はなかなか通好みで大健闘だと思います。変に色を誇張したりせずフィルムっぽい発色です。RICOHファンが多いのも頷けます。

 

フィルム時代以上に発色に差があって面白いですね、また中級機以上だとRAWデータから自分好みの色調に現像(ソフトウエア上で)できるので、あまり気にしない方もいらっしゃると思いますが、通常の記念写真でしたらやっぱりCanonやNikonの発色は中間調が明るめに設定されているようで人の顔が明るく写るので喜ばれるかと思います。

 

とにかく、みんな古いカメラばかりなので参考程度にしかなりません、カメラやそのソフトウエアは日々進化していますからね。ちょっと面白そうなのでやってみた程度です。

48bitカラースキャン

先日、初めて48bitカラーにてスキャンを依頼されました。

 

某レコード会社様から懐かしい歌手やイジーリスニング楽団のCDジャケットや新聞広告、雑誌広告用のアー写(アーティスト写真)のフィルムスキャンです。(許可を得ていないので詳しくは表記できません)

 

最高解像度で48Bitスキャンなのでデータ量がハンパなく多く10%割り増しなのですが、企業様にしてみれば今までのように印刷会社や製版会社に発注するコストを考えると格段に安くすむので関係ないようです。

 

印刷前提の48bitスキャンですが納品はTiff形式となります.

最近は各色16bit TIFFも扱えるソフトもあるようですが再生装置は各色8bit再生しか出来ませんのでパソコン上で確認する事は出来ません。

印刷時にしか威力を発揮できませんのでプリント前提の場合のみ有効なフォーマットとなります。

48bitというと理論上281兆色という圧倒的な色数が扱える事になります、現在その色情報を保持出来るスペックを持つWeb用画像形式はPNG形式がありますが、あくまでスペック上です。

以前はDTPで扱う画像はTIFFやEPS等が主流でWEB用のJPEGは御法度でした。

画像がJPEGと気が付かずにDTP製版するとカラーがモノクロになってしまいよく印刷事故がよく起きていました。

しかし時代の流れでJPEGも変換せず扱えるようになっているので、PNGも印刷データとして使えるようになるとそのスペックが利用されるようになるかもしれません。

 

現在PNGはJPEGでは保持できない透明効果を保持出来る所が便利に使われている程度ですが、テレビがご存じのように高画質化しているので超高画質時代にはPNG形式を使用したMPEGに代わる動画規格が生まれ、主流になるかもしれませんね。

 

それには一般向けパソコンモニターが1670万色以上表現できるようになることが先ですが。

しかし1670万色は人間の目で識別できるトーンの限界と言われているので36bitや48bit色情報でどれだけ違いをアピールできるのか?ただのスペック上の満足だけで人間の目では識別出来ないのであれば意味ないですよね。

その後、オーバースペックということになって通常の24bitカラーに変更になりましたが…。