アーティスト写真

大手のレコード会社様からアーティストの写真(ポジフィルム)のデータ化を大量に依頼して頂きました。

業界用語で「アー写」と呼ばれる物です。

偶然にもこの会社さんには社員時代にもよくお仕事させて頂きました。

スキャンしたアーティストさんの詳しい内容はお話しできませんが「わ〜懐かしい」と声を上げてしまうような方々ばかりで、どうやら徐々にCD化されるようです。(あくまで憶測です、業務上知り得た情報の漏洩ではありません(笑))

発売窓口がこちら

燈音舎様が運営する「音楽のある風景」というサイトです。

燈音舎様が運営する「音楽のある風景」というサイトです。

リンクはこちら→ http://www.um3.jp/shop/category/category.aspx

 

ビックアーティストさんの物はCDが何枚も入ったBOXタイプになり、やっぱりそこそこの値段しますね。

特典DVDも付いているようですが、iTunes等のデジタル配信では買えない楽曲も入っているでしょうからファンの方は要チェックですね。

 

レコード店(もう死語?)も無くなっていますしね。懐かしい歌手の方のCDを買える場所も少なくなってきました。

CDがある程度売れるのは日本だけみたいですよ。(それでもかなり減っていますが)

 

依頼されたスキャンはかなり古いポジも多かったので、意図してカメラマンさんがこの色味にしているのか退色によるものなのか判断が難しかったのですが、シャドー側の色味をいじってみると、退色だと多少元の色味要素が残っているので、それで判断致しました。

 

社員時代から肝に銘じておりましたが、アーティストさんのポジフィルムを1点でも紛失すると利益が軽く吹っ飛ぶほど損害請求されますので、ポジの扱いには神経質になりました。

夜中に大地震がおきたら?とか要らぬ心配ばかりで保管場所にも気を遣いました。

 

それも無事に終了したようなので(?)ホッとしております。

個人的には、これからどのアーティストさんがCD化されるのか楽しみに待つだけです。(あくまで推測です、念のため)

 

ライカ系、コンタックス系

日本の電気の周波数が関東と関西では違う事はみなさんご存じですよね。

明治時代に「関東電灯」がドイツ製の発電機を導入して50HZになり「関西電灯」はアメリカ製の発電機を使って60HZになったという話しはお馴染みですが、カメラにもそれがあるって知っていましたか?

 

ニコンとキヤノンではレンズの繰り出しや絞りリングの回転方向、シャッターダイアルの回転方向等が全て逆向きだという事に気が付いていましたか?

何故なのでしょうか?

 

それは遡る事90年前。

それまで双眼鏡などの生産を手がけていたドイツのライツ社が映画用だった35㎜フィルムで撮影できる「ライカ」というコンパクトカメラを1925年に発売しました。

一方、翌年1926年にカール・ツァイス財団によりレンズメーカーやカメラメーカ4社が統合してツァイス・イコン社が設立され「ライカ」の対抗機種として1932年に「コンタックス」を発売しました。

その際ライカとはピントリングの繰り出し方向などの操作系が逆だった事が発端です。

 

当時日本ではガラス乾版が主流で35㎜フィルムカメラを製造する技術はありませんでした。

そこで1936年に「精密工学研究所」後のキヤノンは「KWANON」(カンノン)と言う名前で、ライカをお手本に完全コピーした「ハンザキヤノン」を発売しました。

レンズは「ニッコール」でした。当然操作系はライカがお手本です。

 

その後キヤノンにレンズを供給していたニコンは1948年にライカとコンタックスをお手本にした「Nikon1」を発表、操作系はあえて「コンタックス」をお手本としました。

 

余談ですが35㎜カメラと言っても当初日本では32㎜カメラでした、少しでも多く撮影できるようにと日本独自の企画だったようですが外国製品との互換性に問題が出て2年で終了したそうです。(ガラパゴス化しなくて良かったですね)

 

しかしレンジファインダー式カメラではドイツ勢の技術に敵わないと判断した日本勢は一眼レフカメラに活路を見いだそうと開発に鎬を削るのです。そして操作系は一眼レフにもそのまま受け継がれたのです。

 

その後、戦後の日本の取材に来ていたライフのカメラマン、デイビット・ダンカンにより、厳しい条件下でもきっちり表現するニッコールレンズの優秀さが世界に発信され日本の一眼レフカメラは世界を席巻していくのはご存じの通りです。

物作り日本の本領発揮です。

 

しかし、現在はデジカメの時代で露光もピントもオートです。

操作系が逆だと言われてもピンと来るのは一眼レフをお使いの方々のみかもしれませんけどね。