古い写真の整理

写真はお客様の古い写真やネガのデジタルデータ化のお手伝いの為お宅に訪問し相談させて頂きながら写真を選んでいる所です。

かなりの数があるので床に並べ、デジタルデータ化の順番を決めています。歴史の教科書に出てくる人達も写っています。

大抵の写真はしっかりと画像が残っており綺麗にデータ化できる物でしたが、やはり戦前の物なのでアルバムに貼ってある物は、アルバム自体が表紙を含め紙で出来ているため痛みが激しく、張られている写真の退色も進んでいました。

写真に書き込みがあったり、折れていたり、変色しているので画像を修正しながらの作業となりますので時間もかかります。

最近は再現像して元の状態に戻す技術も開発されたようですが、1枚に数万円かかるので大量にあると現実的ではありませんがスキャナーでは読み取れない程画像が消えかかっていても元に戻るようです。

TVで見たのですが、要するに黒化が低下したハロゲン化銀を元に戻すのだと思います、写真を一旦溶液につけて、写真が真っ白になる所を見ると「おいおいこれで大丈夫なの?」と思いましたが、再現像で物の見事に画像が復活する様は見事です。

幸い拝見した写真はどれもスキャナーで読み取れる濃度は維持していました。

大判の写真はプロカメラマンが4×5判で撮ったものなのでビックリするぐらい鮮明でディテールがしっかり出ています。やはり大きなフィルムは違います。

これは現在の35㎜でも敵わない圧倒的な解像力です。

ライカで撮ったと思われるスナップ写真も多数ありましたがやはり35㎜の解像力の差は時代を感じます。またピントが合わせにくいのかピンぼけ写真も多々見受けられました。

オートフォーカス時代の現在では考えられないですよね、特にスマホカメラはレンズが小さいのでピントが深くそれにオートフォーカスですからピンぼけ自体が言葉として無くなりそうです。

そのライカも製造番号が若い貴重なライカなのですが別邸に置いてあるとのことでしたので今回は拝見できませんでした。

頑張れ!写真デジタル化

ネット上のブログや質問コーナーを見ているとプリント写真をデジタル化する際、デジカメで撮ってそのままデジタル化する人が意外に多いのにビックリしました。

確かに手軽で簡単ですよね、業者の方でも料金の安い所はそのような手法でデジタル化している所があると聞いた事があります。

何が写っているのか分かれば良い程度であれば、それもそれで有りかとは思います。

その一方でこだわる方はスキャナーを買ってネガやプリントをセッセとデジタル化する方もいらっしゃいますよね。原理的にはデジカメで撮るのと変わらないのですが、原稿に当たる光源が均一なので色の忠実度では一枚も二枚も上かと思いますが。

しかし、これはやってみると意外に大変で途中で断念する人も多いようです。

貴重な休日を写真のデータ化に費やすのですから、そういう事が好きな人でそれなりの覚悟が無いと続かないようです。

原因の一つとして解像度を高く設定してスキャンに時間が掛かる事もあるようです。

解像度が高ければ綺麗と思い込んでいる人が多い為で、ネガフィルムをスキャンする場合フィルム1本分で30分〜1時間位かけてスキャンするようです。

A4のフォトブックを作るとして一面に絵柄をいっぱいに入れる事を想定すると、35ミリフィルムなら300dpiで700〜800%で拡大スキャンするか、2100dpi〜2400dpiで原寸スキャンする必要があります。

その時の画素数は600万〜800万画素です。(プリント写真の場合はその大きさによって条件が変わるのでここでは省きます。)

それ以上の画素数は、プリントして壁に飾る等の特殊途用になるでしょう。

余程気に入った写真ならそれも良いでしょうが、全ての写真を1000万画素以上にするのは、写真愛好家なら仕方ないとして、普通に家族の記念写真であるなら明らかにオーバークオリティーと云わざる得ません。

RGBの展開画像で30MB前後Jpeg圧縮で5〜6MBのファイルになります。(圧縮率による)ブログなどで活用するにはリサイズが必要ですね。

それにフォトフレームで鑑賞したいと思うなら重い画像はトラブルの基です。

でも最近は大きな画像でも扱える機種もあるようですが、スキャンした画像が高解像度だからといってその分発色が綺麗なわけではありません。

要はスキャンした画像を何に使いたいかに依ると思うので、写真愛好家ならデジタル用とプリント用を分けてデータ保存する方も居られるかと思います。

でも普通は「大は小を兼ねる」で高解像度にしておけば何にでも使えるだろう、とやたら高い解像度で保存する方が圧倒的ではないでしょうか。

高品質好きの日本人ならではですね。

滅多に使わない機能が沢山付いた家電が良く売れるのもその最たる物だと思います。

(続く)