解像度神話(4)

解像度神話(続きの続きの続き)

オリジナルとJpeg(標準)では水鳥のたてる湖面の波紋が更に減少。

奥の湖面に映える木々のトーンもJpeg(高画質)→(標準)と徐々に減少、アナログ派には看過できない差ではあると思う。

しかし、Jpeg(標準)と(高画質)の差はそのデータ量の差ほど感じない。オリジナルの1/40になっていることを考えると良くできた圧縮フォーマットだと思う。

しかし、せっかく高精細にスキャンしてもこれだけトーンが整理されてしまうと高精細の意味が無い。

やはり高画質にはそれなりのデータ量が必要で、データ量が重い=扱いにくい、データ量が軽い=扱いやすい(メールに添付しても、ブログにアップロードしても)と言うことになるが、Jpegは本来パソコン上で画像データを扱いやすくするためのフォーマットであることを考えると、ある程度の割り切りが必要で普通の人が写真を綺麗だと感じるのは豊かなトーンより鮮やかな発色ではないだろうか?

色は実際の色より記憶色と言われる記憶したイメージ色に近い方が綺麗に見え、それ故デジタルカメラは実際の色より肌はピンキッシュに、空は青く、赤は燃えるような赤にそれぞれ強調し、いかに人の記憶色に近づけるかが売れる秘訣のようだ。

要するに実際の色より記憶色に近い色作りが綺麗の分かれ道と言えるのかもしれない。

ここがアナログ派が容認できない点なのでしょう、要するに色を作りすぎる…。

デジカメ画像を見ていると「実際はこんなに綺麗な色である訳がないじゃん」と思う事は多々あり、一時期デジカメにおけるキャノンの色作りに嫌悪感を抱く人が多かったようですが、実際は色が綺麗だと言うことでキャノンのデジカメは大いに売れ、その声をかき消しつつあります。現在の写真はリアリズムではダメなようです。

フィルムをデータ化する際、高精細スキャンにすれば階調が豊かになるはずですが、それは1760万色の範囲内で、Jpegに変換するとそこから更にトーンの整理をし、色の強調が行われるのでトーンは減っても綺麗な画像に見える。

フィルムの画像はデジタル化した時点でデジタル画像という似て非なる物に置き換わったと考えるべきで、デジタルはデジタルとして使いやすい状態にするのがベストであり、アナログの豊かな階調を望むならアナログ処理してこそベストなパフォーマンスを発揮できるのでしょう。

故に当店では解像度には強く拘らず、デジタル画像にしたならば扱いやすさと画質のバランスを考えてオーバークオリティにならないように皆さんにお勧めしていこうと思います。

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