コダックの品質

昔のネガをスキャンしたり、プリントに出したりすると、出来上がった写真全体が黄色くなっていてガッカリしたことありませんか?

 

退色現象です。ブルー成分の減衰です。

 

お客様のネガをお預かりしてスキャンさせて頂いておりますが、90%は何かしら補正を掛ける必要がある状態のネガばかりです。

 

人様のネガをお預かりするようになってからこんなに退色フィルムが多いとは予想もしていませんでした。

 

既に手遅れのネガも時々見かけます。フィルムに塗ってある感光層はR、G、B各層があるのですが、真っ先にB層(ブルー)が退色していきます。

 

青い空が黄色くなっているのは既にブルーのライト側(明るい部分)が黄色く退色している為。

まだブルーのライト部分のみの退色で中間〜シャドーの色が残っていればある程度の補正が効くのですが、中間のトーンまで変色していてシャドーしか残っていないとなると、どうにもなりません。

 

中にはシャドー部分さえ退色していて画像がグリーンと赤だけになっている2色のチラシのような画像もありました。

 

しかし、国産ネガフィルムと明らかに同じ時期に撮ったと思われるコダックのネガが混在している場合があります。

 

コダックは少々お値段が高かった記憶がありますが、しかしスキャンしてみるとコダックは古いネガでもしっかり色が乗るのです。同じ時期のフィルム?とつい疑ってみたくなる程です。

 

国産フィルムとでは10年以上持ちが違う印象を受けました。

コダックでも退色しているフィルムは勿論あるのですが、補正を掛けると見事に鮮やかな画像に戻ります。

 

これはあくまで個人的感想なのですが、スキャンした画像が、コダックフィルムは感光材が厚く塗ってあるという印象を与えるほど、濃度がタップリの画像になります。

退色していてもブルー層が減衰しているとかではなく各色が一様に減衰している感じです。

 

ここからは個人的な推理で確証のあることではありませんが、国産ネガフィルムは取り扱い量が膨大な為、現像やプリントを効率的に行う必要があり、ギリギリの乳剤量で現像・プリントを早く仕上げ、コストとスピードを重視した結果ではないかと思ってしまします。

スピード重視の為長期保存には必要な十分な水洗いが効率重視で少々おろそかになった事と、乳剤の量が少ない為、少し劣化が進むと画像に影響が出やすい。

 

お断りしたようにあくまで個人的感想ですが、長く残るのはプリントした写真でネガは捨てられる物と割り切っていた。そんな推理もしたくなるほどの品質差があります。

 

スライド用のポジフィルムではそんな差がないのですが…。

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