写真の劣化

銀塩写真は物理的・科学的影響を受けやすく管理が難しい資料の一つです。

湿度や温度の大きな変化には敏感に反応します。これはフィルムと印画紙共通の現象です。感光剤のハロゲン化銀をフィルムに塗ったのがフィルムで紙に塗ったのが印画紙です。

特にフィルムは潜像退行と言って感光剤のハロゲン化銀が光によって黒化しても時間と共に元に戻ろうとする性質があるので、写真を撮ってから現像まで時間が空くと黒化が低下した写真になってしまう現象が起きるので撮ったらすぐ現像が基本です。

しかし写真は現像処理されていても常に温度や湿度の変化によって化学変化を起こし続けるので、保存するには温度が18℃で湿度は30〜50%が理想だと言われております。特にカラー写真の場合は2℃が推奨されているのでこれは殆ど冷蔵庫の中ですよね。

また化石燃料を燃やしたときに発生する窒素酸化物やオゾンは写真画像に害を与え、壁に塗った塗料から出た気化ガスや、漂白剤を含んだ洗剤を写真の近くで使用したりするのも画像の劣化をもたらす事が分かっております。

そして写真は光でも劣化するのはご存じかと思います。

特に可視光では青(400〜500nm)のスペクトルと紫外線(300〜400nm)が特に画像の劣化を招き、コダクロームスライドはプロジェクターに10分かけただけで明らかに劣化するそうです。

そうは言われても…。

一般家庭で以上のような条件を考慮して写真を保存している人はいませんよね。

高温多湿の日本は写真保管には適さない気候条件なのは確かなようです。

特にカビは湿度60%温度24〜27℃以上で繁殖しやすくなるので、日本の家庭に保管されている写真やネガにはカビが生えている場合が多いのです。

一旦カビが生えると写真に損傷を与えず除去する事は不可能と言われております。

ご家庭に眠っている銀塩写真はご家族の大切な想い出でもあり、昭和の貴重な記録でもあるのです。

押し入れの奥にしまい込んだ写真の価値を今一度考えてみませんか?

まだ間に合う内に…。

 

参照資料

日本図書館協会「写真の手入れ、取り扱い、保存」(米国議会図書館資料を国立国会図書館が翻訳)

 

 

 

コメントを残す