プリントしない日本人

カシオ計算機(株)(何だか老舗っぽい社名でいいですね)が日本、中国、アメリカ、ドイツのパパ、ママさん800人にカメラのアンケート調査を行ったそうです。

その中で撮った写真をアルバムにする比率は中国76.5%、ドイツ・アメリカは65%に対し日本は46%と圧倒的に低いという結果が出たそうです。

まあ、サンプル数が800なので統計学的には微妙な数字ですが。

日本人は撮った写真をパソコンに保存しっぱなしで「日本は世界でも最もプリントしない国」と指摘されている事が事実だったと証明されました。

日本人の撮る被写体は子供が70%で家族全員の写真は4.5%しかなかったそうです。

そういえば日本では家族の写真を家の中に飾るという習慣はあまりしませんよね。

欧米人は家族の写真を普通にリビングルームや職場でさえも飾っていますよね。

子供が生まれたのをきっかけにいいカメラを買ったという人も多いのでは?

特にビデオカメラはそうですよね。

しかし何故家族写真が少ないのでしょうか?お子様の写真が多いというのは分かりますが…お子様が大きくなると写真を撮らなくなるということですかね?

核家族化が原因なのでしょうか?

家族との写真は後々の思い出として大切なのですが、それがデータのまま眠っていると言うことはいつか消えてしまうと言うことですよね。

データは永遠ではないことはご存じですよね、チョットしたことで消えてしまいます。そりゃーそうですよね只の電気信号の集まりでしかないのですから…。

大切な写真はアナログにしておくのは危機管理の基本です(オーバーですか?)

日本のメーカーは時代に合った性能の良いカメラは市場に提供できるのですが、その時代にあった楽しみ方までは提案しきれていません。

最近は撮った写真をそのままソーシャルネットワークに投稿出来るコンパクトカメラも登場していますが、やっぱりプリントするとコンパクトカメラでもスマホより綺麗なのですが、データのままだとその違いも意味がないですよね。

しかし考えようによってはそのパソコンに眠っている画像の面白い活用法を提案出来れば、莫大な市場が見えてくるのですが…。

そういう訳で6月から写真の楽しみ方の一つとして日本初のフルHDスライドショーのサービスを始めます。

宜しくお願い致します。

ネガフィルムの黒いテープ

お客様のネガをお預かりしてデータ化させて頂いて気が付いたのですが、ネガの四隅に黒いテープが貼ってある物が多く見受けられます。

このテープはフィルムのパーフォレーションを塞いでいるのでフィルム送りが出来ず、当然スキャンが出来ません。フラットベッドのようにフィルム送りをしないで光源が動くタイプのスキャナーなら問題ありませんが当店は光源固定でフィルム送りをする透過光タイプなので仕方なく剥がすのですが、これが大変なのです。

フィルムを傷つけないように剥がしても後に糊が残るので、そのままスキャンすると送り歯車やレールに糊が付着してエラーを起こします。

そこでフィルムクリーナーで拭いて糊を取り除きスキャンするのですが、フィルムなので強く擦れないので、これが大変面倒臭く効率がガクンと落ちます。

何でこんな事するのだろうと不思議だったのですが、ネット上での書き込みで判明致しました。

どうやらプリントを依頼された業者が効率良く作業する為、全てのフィルムをテープで繋げて一気にプリント作業を完了させる為だったようです。

まあ、それはそれで作業効率向上の工夫なのでしょう、しかし作業後にそのテープを剥がさずただ切っただけでお客様に返却しているのはプロの仕事でしょうか?

自分たちの都合でお客様から預かったフィルムに手を加え、何の説明も了解も無しにそのまま現状回復せず返却するなんてちょっと考えられません。

再度焼き増しプリントを依頼した時はどうするのでしょう?更にその上からまたテープを貼るのでしょうか?

書き込みを行った方はご自身でネガのデータ化を行っている方で「フィルムにこんな事されているなんて気が付かなかった、頭に来た」と怒っておられました。

幸い私の場合ネガフィルムは殆ど使用せず、自分で現像・焼き付け出来るモノクロフィルムか、カラーの場合はリバーサルフィルムを使っていたので、そのような雑な仕事に遭遇する事はありませんでした。

当時はカメラブームもあり膨大な量のプリント依頼があったと思われます。

効率よく受注を捌くのが最優先だった事が想像されます。

単なる剥がしミスなら「人間のやる事だからミスも起こる」とある程度は納得します、恥ずかしながら私もミスをしてお客様にご迷惑をおかけした事もあります。

大事なのは2度と繰り返さない事、その為の創意工夫が品質を上げていくのです。

しかしミスではなく「どうせ気が付かない」という利用者への甘えから現状回復しなかったのならあきれます。怒りさえ感じます。

現在は写真プリントもデジタルプリントになり現像所も淘汰されて数が少なくなり、怒りの矛先を何処に向ければいいか分かりませんが…。

当時は「儲かれば多少の事はいい」そんな風潮だったのなら悲しい限りです。

今の中国の公害もそんな風潮の証かもしれません。